ホームページやブログで投資情報を発信する際、金融商品取引法に基づく「投資助言・代理業」に抵触しないよう注意が必要です。本記事では、抵触しないための条件や、該当する可能性が高いケース、登録を検討する際のポイントを具体例とともに解説します。
📝記事概要
投資情報をホームページやブログで提供する際、無料で誰でも閲覧可能な情報提供は抵触の可能性が低い一方、特定の者のみがアクセスできる場合は該当する可能性が高くなります。登録を検討する際は、実務経験の有無や収益性、人件費などを考慮する必要があります。
法規制・コンプライアンスを理解し、リスク管理を徹底した情報発信を行うことが、信頼獲得につながります。
◇この記事でわかること
・投資助言・代理業に抵触しない情報提供の条件
・抵触する可能性が高いケースとその対策
・登録を検討する際に考慮すべき要素
・実例を通じた判断のヒント
・自己診断に役立つチェックリスト
◇投資助言・代理業に抵触せずホームページやブログ上で投資情報の提供を行うことができる場合
関東財務局の見解によれば、次のような条件を満たしていれば、ホームページやブログ上で投資情報の提供を行っても投資助言・代理業に抵触する可能性は低いとされています。
①会員登録の必要が無い事
②いつでも自由にホームページやブログ上にアクセスできる状態にある事
③不特定多数の者が随時にその情報を入手できる状態にある事
④無料で閲覧者が閲覧を行える
①~④の条件を満たしていれば、基本的には、投資助言・代理業に抵触する恐れはありませんが、抵触するか否かは、個別具体的事案毎に判断が必要となりますのでホームページやブログ上で投資情報の提供を行う場合は、十分にご注意いただければと思います。
✅ 自己診断チェックリスト
以下の項目にすべて該当する場合、抵触の可能性は低いと考えられます。
- [ ] 情報は無料で提供している
- [ ] 会員登録やパスワード入力は不要
- [ ] 誰でも自由にアクセスできる
- [ ] 特定の人物に限定して情報を提供していない
◇投資助言・代理業に抵触する可能性が高い場合
次のような方法で、ホームページやブログ上で投資情報の提供を行う場合は、投資助言・代理業に抵触する可能性が高いと考えられます。
①閲覧するために会員登録が必要
②パスワードを入力しなければホームページやブログにアクセスできない
③特定の者しか情報を入手できない状態にある
④閲覧するために費用が必要
①~④の場合は、投資助言・代理業に抵触する可能性が高いと考えられますので、このような形でホームページやブログ上で投資情報の提供を行いたいと考えておられる場合は、投資助言・代理業への登録を検討していただければと思います。
🧭 実例で見る判断ポイント
- 抵触しないケース:
Aさんは、無料で誰でも閲覧できるブログで、過去の市場動向や一般的な投資理論を紹介している。個別銘柄の推奨はしておらず、会員登録も不要。この場合、抵触の可能性は低い。 - 抵触する可能性が高いケース:
B社は、会員制のサイトで、特定銘柄の売買タイミングを助言している。会員限定で情報を提供しており、閲覧にはパスワードが必要。この場合、投資助言・代理業に該当する可能性が高い。
◇ホームページやブログ上で投資情報の提供を行っている者が投資助言・代理業への登録を検討する場合に考慮すべき要素
ここまで、ホームページやブログ上で投資情報の提供が投資助言・代理業に該当する可能性が低い場合と高い場合について解説してきましたが、最後に、まとめに代えて、ホームページやブログ上で投資情報の提供を行っている者が投資助言・代理業への登録を検討する場合に考慮すべき要素について言及して本記事を終えます。
①投資情報の発信を趣味や副業としてではなく、本業として行いたいのか?
②投資情報を発信している者の中に金融商品取引業での実務経験のある者がいるか(いない場合、そもそも投資助言・代理業に登録することができないため)?
③投資助言・代理業に登録した場合、人件費だけでも年間1000万円以上の経費がかかることが予想されるがこうした経費をまかなえるだけの収益を見込めるか?
④投資助言・代理業者の役職員は、自らが行う投資に制約を受けるが経営者及びメンバーは、こうした制約を受け入れられるか?
💬 よくある質問(FAQ)
Q1. 無料でも、特定の人にだけメールで情報を送るのは問題ですか?
A1. はい、たとえ無料でも「特定の者に限定して情報を提供する」場合は、抵触する可能性があります。
Q2. YouTubeで投資情報を発信する場合はどうですか?
A2. 公開設定が「誰でも視聴可能」であれば抵触の可能性は低いですが、個別銘柄の推奨など内容によっては注意が必要です。
◇まとめと次のステップ
まずは、自分の情報発信スタイルが法規制に抵触していないかを確認しましょう。必要に応じて、専門家への相談や登録の検討を進めることが、信頼される情報提供者への第一歩です。
📘情報発信が「スクール形式」に近づいてきたら、こちらもご確認ください
本記事では、ホームページやブログで投資情報を提供する際に「投資助言・代理業」に抵触しないためのポイントを整理しました。
ただし、もしあなたが──
・講義形式で情報を伝えている
・会員制や有料コンテンツを導入している
・スクール型のサービスを展開している
そんな場合は、もう一歩踏み込んだ確認が必要です。
有料note記事「投資スクールビジネスを行う際に注意すべき『投資助言・代理業』との境界線」では、こうしたスクール型サービスに潜む法的リスクとその回避策を、実務目線でわかりやすく解説しています。
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