【解説】金融経済教育推進機構認定アドバイザー(J-FLEC認定アドバイザー)の認定要件とJ-FLEC認定アドバイザーになることのメリットとデメリットについて

投資助言・代理業

 金融経済教育認定機構認定アドバイザー(以下J-FLEC認定アドバイザーと呼称)は、家計管理、ライフプラン、資産形成等に関する個別相談の実施やこれらに関する講義を行い、個々の状況に応じたアドバイスを提供する主体となることが期待され、新たに誕生した資格です。
 J-FLEC認定アドバイザーに認定されるためには、金融経済教育推進機構(J-FLEC)に審査を申込、これに合格する必要があります。同認定は、個人を対象にしており、法人が認定を受けることはできませんのでご注意ください。
 本記事では、J-FLEC認定アドバイザーの認定要件とJ-FLEC認定アドバイザーになるメリットとデメリットについてご紹介します。

◇J-FLEC認定アドバイザーに認定されるための資格及び業務経験の要件

 認定アドバイザーに認定されるための資格要件及び業務経験は次のようなものになっています。ちなみに、下記の資格や業務経験以外でもJ-FLEC認定アドバイザーにふさわしいものであれば認められる余地があるそうです。

(1)資格要件
・CFP、AFP、FP技能検定(2級以上)
・外務員(1種)
・証券アナリスト
・プライベートバンカー
・公認会計士
・税理士
・弁護士
・司法書士
・行政書士
・社会保険労務士
・消費生活相談員
・消費生活アドバイザー
・DCプランナー(1級)
・住宅ローンアドバイザー
・銀行業務検定(税務2級)
・銀行業務検定(相続アドバイザー3級以上)
・銀行業務検定(年金アドバイザー3級以上)
・金融窓口技能検定(1級)
・投資助言・代理業者

(2)業務経験
・個人からのFP分野における相談・提案業務
・個人からの公的年金・社会保険に係る相談
・個人への対面による金融商品の提案・販売
・個人への対面による保険契約の提案・販売
・個人への不動産購入の資金契約作成・提案
・個人への住宅ローンに係る審査・相談
・個人融資に係る審査・財務状況分析・相談等
・個人に対する各種税務相談(確定申告・相続・遺言等)
・成年後見制度に対する相談
・保護者に対する教育資金プラン等の提案
・児童や生徒に対する金融経済教育の実施
・個人への金融商品に係る投資助言

 次に上記の資格及び業務経験を有していてもJ-FLEC認定アドバイザーにとして認定されない方の要件についてご紹介します。

◇J-FLEC認定アドバイザーに認定されない者の要件

・金融商品の組成や販売等を行う金融機関等に所属している
・金融商品の組成や販売等を行う金融機関等から、顧客に対するアドバイスの信頼性・公正性に影響を及ぼし得ると考えられる報酬を得ている
・法令諸規則違反等による、刑事罰、その他の措置を受けている
・反社会的勢力である
・その他経済教育推進機構が不適当と認めた者である

 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第3条第3項に規定する金融商品販売業者(銀行、証券会社、保険会社、IFA事業者)等、投資助言・代理業者の中で.も代理業を行っている事業者、投資運用業者、貸金業者、宅地建物取引業者、そしてこれらの事業者のグループ会社(親会社、子会社、関連会社、親会社の子会社及び関連会社を総称していう)の役職員(常勤・非常勤を問わない)として勤務している方は、J-FLEC認定アドバイザーに認定されません。

◇J-FLEC認定アドバイザーになることのメリット

 J-FLEC認定アドバイザーになることのメリットとしては、次のようなものが考えられます。

①自身の相談業務においてJ-FLEC認定アドバイザーの呼称を用いることができる
②J-FLEC「はじめてのマネープラン」割引クーポンの対象事業者になることができることで、集客しやすくなる
③J-FLEC認定アドバイザー認定後、希望者は、別途審査を受け、合格後、J-FLECの講師又は相談員として業務を受託することができる

◇J-FLEC認定アドバイザーになることのデメリット

 次にJ-FLEC認定アドバイザーになることのデメリットについては、以下のようなものが考えらます。

①新聞、雑誌、書籍、ポスター、テレビ、ラジオ、ホームページ、SNS等で不特定多数の者に対して情報発信を行う場合、J-FLECに届出が必要
②金融機関等からの依頼を受けて当該金融機関等の社員向け研修やセミナー等登壇、コラムの執筆、資料の監修等の業務を行う場合は、予めその概要についてJ-FLECに届け出る必要がある

◇まとめ

 本記事では、ここまで、J-FLEC認定アドバイザーの認定要件とJ-FLEC認定アドバイザーになることのメリット・デメリットについてご紹介してきました。
 事前の予想通り、金融商品の販売に係わっている認定されないことになりました。
 J-FLEC認定アドバイザーになればJ-FLEC「はじめてのマネープラン」割引クーポンの対象事業者になることや、J-FLECから講師又は相談員の業務を受注する道が開けますが、一方で、情報発信や金融機関との連携に一定の制約を課されることになります。
 J-FLEC認定アドバイザーとして認定された場合、YouTubeやブログで金融情報等を発信してアフィリエイト収入等を得ている方や金融機関からの依頼を多く受けておられる方にとっては、ビジネス上の障害になりそうです。
 J-FLEC認定アドバイザーの認定を目指す方は、こうした一連のメリットとデメリットを踏まえてJ-FLEC認定アドバイザーの認定を受けるか否かをご判断いただければと思います。

 最後に、筆者がネット上から集めた実際にJ-FLEC認定アドバイザーとして認定された方々の声の一部をご紹介して本記事を終わります。

認定者の肯定的な声
・顧客相談の具体的な手法を学ぶことができる
・J-FLEC認定アドバイザーに認定されたことで勤務先から資格手当が支給されている
・J-FLECが発行するクーポンを利用して集客を行えることで集客がしやすくなった

認定者の否定的な声
・J-FLEC認定アドバイザーの知名度がそもそも低い
・資格マークの表示規約が厳しく名刺デザインの自由度が低下した
・協会推奨ツールの年間使用料が小規模事業者には経済的に負担感がある

参考ページ
J-FLEC金融経済教育推進機構ホームページ

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